メールマガジン「秘密の皮膚科学」

メールマガジン「秘密の皮膚科学」

2004年11月16日配信

第5号 反響の秘密(1) さらに詳しいお肌の基本

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサー・牛田専一郎です。


 メルマガの発行を始めてから、はや1ヶ月。
 牛田のパソコンには、読者の方からの感想や質問のメールが
 続々と届いています。
 予想以上の反響です!


 メッセージを下さったみなさん、ありがとうございます。
 みなさんの声は、何よりの励みになっています。
 

 そんなわけで、うれしい悲鳴をあげながらせっせとお返事を書いている
 今日この頃です。
 (まだ届かない!という方、ごめんなさい。おまたせしております。。。)


 ある晩、パソコンに向かいながら、ふと考えました・・・


 もしかして、メールをくださっているのはごく一部の方なのでは!?
 本当は、もっと沢山の方が牛田のメルマガを読みながら「???」
 と首をかしげておられるのでは!?


 そう考えたら、いてもたってもいられなくなった牛田。
 今回は、急遽予定を変更させていただくことにしました。
 


 『秘密の化粧品 反響の秘密』と題して、
 読者の方からいただいた感想や疑問をご紹介しつつ、
 「お肌の基本」について、もう少し詳しくお話をさせていただきたいと思います。


 前回予告した「大人のニキビの秘密」を楽しみにされていた方。
 ごめんなさい! 必ずお話しますので、いましばらくお待ちください。


 『秘密の化粧品 メール相談室』は予告通りお届けします。
 さつきさんと私のメールやりとり。前回の続きをご紹介します!



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  秘密の化粧品 反響の秘密(1) さらに詳しいお肌の基本


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 ▼「なにもつけない」なんて無理!?


 最も反響が大きいのは、「なにもつけない」についてです。
 まずは喜びの声から。



 ○何もつけずに寝てみたところ、翌朝、肌が自然にしっとりしていました。
  それ以来、化粧水をつけると「べとつく」と感じるようになってしまいました。
  (Iさん)


 ○早速試してみて、翌朝びっくり!
  皮脂の少なさと毛穴の小ささに驚いてしまいました。
  私はオイリー肌だと思っていたのに・・・(Iさん)



 お肌本来の力を感じていただけたようですね。
 うれしいご報告、ありがとうございます。


 続いて、疑問&不安の声をご紹介します。



 ○それができるのは若い人だけなのではないでしょうか?
  対象年齢があれば教えてください。(Uさん)


 ○たるみやしわが気になり、クリームを目の下に塗っています。
  それをしないのはとても不安なのですが・・・?(Mさん)



 今までの習慣を変えるということは、誰にとっても恐ろしいことです。
 抵抗をお感じになるのは、無理のないこととお察しします。


 牛田もちょっと舌足らずだったかもしれませんね。
 ショッキングなことをサラっと書きすぎたみたいです・・・。


 疑問や不安をお感じの方のために、皮膚の役割について、いま一度、
 じっくりお話したいと思います。


 白木さんも、復習の意味でよ~く聞いていてくださいね。




 ▼皮膚の役割


 皮膚は、胃や腸と同じ、身体の臓器の一部です。
 身体の一番外側で、体内を守る働きをしています。
 いわば、人間の生命維持の最前線なのです。


 皮膚はいくつもの薄い層で構成されています。
 それらの層の一番外側にあるのが「皮脂膜」。
 汗と皮脂から作られる天然の保護膜です。



 皮脂膜は、皮膚を外界の刺激から守りながら、
 その表面を滑らかで潤いあるものにしています。

 つまり皮脂膜は、体内を守る皮膚を、さらに守っている膜なのです。



 皮脂膜が守ってくれているからこそ、皮膚は健康な状態を保つことができ、
 「体内を守る」という本来の役割を果たすことができるのです。


 皮膚の健康と美しさは表裏一体。
 皮膚の美しさについても、皮膚の健康と同じことが言えます。


 皮脂膜が肌を守ってくれているからこそ、肌は美しい状態を保つことが
 できるのです。

 洗顔をすると、皮脂膜は洗い流されます。
 でも、その後何もつけずにいれば、皮脂が自然に分泌され、ひと晩のうちに
 再生されるのです。



 ところが、皮脂が再生される前に化粧水やクリーム類をつけてしまうと、
 皮膚は皮脂膜を作ることができなくなってしまいます。
 結果、肌本来の能力を低下させてしまうことになるのです。


 化粧水や乳液をつけることは、肌にもともと備わっている防御能力を、
 自ら台無しにしてしまっているようなものです。


 洗顔後になにもつけずにいるなんて、年齢によっては無理なのでは? 
 というご質問もいただきましたが、皮膚生理のメカニズムに、年齢は関係
 ありません。


 むしろ、皮膚の衰えを感じてしまった方にこそ試して欲しいと考えていま
 す。お肌が本来持っている機能を低下させると、
 皮膚の老化を早めてしまいますから。

 ここまで、いつになく静かに聞いていた白木さん。
 ・・・おや? 何か言いたそうですね。



 「牛田さんのおっしゃることは分かるんですけど・・・
  でも、体調崩してたり、つい洗顔でゴシゴシこすりすぎちゃったりして
  一晩で肌の潤いが戻らないことってあると思うんです。
  これじゃあ落ち着かない! 人前に出られない~! っていう時は
  どうしたらいいんですか?」




 皮脂膜を作る能力が落ちてしまっている時ですね。
 そんな時は、特に乾燥が気になる部分にだけ少量のワセリンをつけて、
 人工の皮脂膜を作ってあげましょう。
 あとは時間の問題。
 しばらくすれば、お肌は皮脂膜を作る能力を取り戻します。




 「なるほど。まったくつけるな! っていうわけじゃないんですね。
  お肌の状態をみながら、適宜適量を使いましょう!
  っていうことなんですね」




 そういうことです。


 第2号で、翌朝は素肌にそのままファンデーションをつけてください、
 というお話をしましたよね。

 http://hisesshoku-derm.com/archives/2004/10/post_3.php

 でも、白木さんが言ったように、肌がカサついて、どうしてもパウダーフ
 ァンデーションがうまく乗らない・・・っていう日もあると思うんです。
 そんな時にも、ワセリンをちょっとだけ付けるといいですよ。



 でも、化粧品はあくまで肌の状態を『ごまかす』もの。

 基本的には、やっぱりなにも付けないでいるのが一番なのです。


 白木さん、なんだか晴れやかな表情をしています。
 みなさんはいかがですか?
 少しでも疑問を解決していただけたら幸いです。


 次回も引き続き、読者の方からいただいた反響を取り上げて、
 その不安や疑問にお答えしたいと思います。


 どうぞお楽しみに!




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  ~読者の方から頂いたメッセージをご紹介します~
  「秘密の化粧品」メール相談室

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 先週より、連載で当メルマガ読者のさつきさん(30歳の女性、敏感&乾燥肌)
 と牛田とのメールのやりとりをご紹介しています。


 前回『しばらく洗顔後になにもつけないでみてくださいね』というお話を
 しましたが、さらに詳細なアドバイスをさせていただこうと思い立った牛
 田。さつきさんに質問のメールをお送りしたのです。


 次にご紹介するのは、私からの質問に対して、さつきさんからいただいた
 回答のメールです。
(「>」で始まる文が牛田からの質問です)


┌――┐
|\/| さつきさんからのメッセージ
└―――――――――――――――――――――――――――――――――

 牛田さん、こんにちは。
 質問ありがとうございます。回答をお送りしますね。


 >1:何もつけないで寝て、朝起きたときもカサカサですか?


 洗顔後何もつけないでいると、10分と経たない内に
 顔全体がかさつき始め、おでこまで白くひび割れていました。
 その後、赤みが出てきて痛みと熱を持ち、我慢できなくて化粧水をつける
 と治まりました。


 >2:1日の洗顔方法と、どんな洗顔ソープをお使いか教えて頂けますか?


 夜は、オイルクレンジング→固形石鹸ではないウォッシュソープを使って
 います。最初は冷たすぎないくらいのぬるま湯で、最後は水ですすいでいます。


 朝は、鼻の毛穴の黒ずみと油浮きがあるので、
 Tゾーンだけソープで洗っています。


 >3:思春期のころ(高校生のころ)ニキビは、できましたか?


 肌の色が見えないくらい出来ていました。
 背中までできて、病院でもらった抗生物質を飲むほどでした。
 今も、その辺で販売されている某有名メーカーの化粧品は刺激が強くて使
 えません。
 Tゾーンの油浮き以外は、肌は乾燥していると思います。
 顔だけでなく、手足も乾燥しやすいです。


――――――――――――――――――――――――――――――――――




┌――┐
|\/| 牛田からのメッセージ
└―――――――――――――――――――――――――――――――――


 さつきさん、お返事ありがとうございます。
 

 洗顔後に何もつけないでいると現れるというひび割れや赤み。
 それは、お肌が弱くなっていて、異常を訴えているサインです。


 それから、さつきさんの洗顔方法。
 ひとことで申し上げると、洗いすぎです。


 思春期に出来たニキビの原因は、皮脂分泌が多いためではなく、ホルモン
 バランスの変化と精神的ストレスによるものと思われます。
 このタイプのニキビは、洗顔のし過ぎで悪化する場合が多いのです。


 皮膚は身体の一番外側にあって、体内を守る役割を担っています。
 その皮膚の一番外側にあるのが、皮脂膜です。
 皮脂膜によって、角質は守られているのです。


 さつきさんのような乾燥気味のお肌の方にとって何より大切なのは、
 皮脂膜をつくる力を衰えさせない事です。


 下に注意点をまとめてみました。


 1:日焼け止めクリーム、オイルクレンジングの使用を避けましょう。
   日常の紫外線は皮膚が防いでくれていますから、連続して直射日光を
   浴びるとき以外は、日焼け止めは必要ありません。
   

   ※クレンジングオイルは落ちにくい化粧品を落とすための洗顔剤です。
    他の洗顔剤に比べて洗浄力が強めに作られています。
    多用すると、メイクと一緒に皮膚の角質が剥がされることに!
    結果、お肌の脱脂が進み、皮脂分泌能力を低下させてしまうことに
    なるのです。


 2:朝の洗顔は、流水で流すだけ!
   Tゾーンが油浮きしていると感じていらしゃいますが、それが正常な状態です。


 3:洗顔後の化粧水は、なるべく薄く、乾燥の強い部分だけにつけましょう!

 (補足訂正)
 洗顔後にカサつきが気になる場合は、その部分にのみ薄くワセリンをつけましょう!(2012.7.13)


 4:外出の予定のない日は、お肌に何もつけないようにしましょう!


 ぜひお試しいただけたらと思います。
 さつきさんのお肌が本来の機能を発揮できますように!

 コスメプロデューサー 牛田専一郎

――――――――――――――――――――――――――――――――



 さつきさんと私のやりとりは、この後まだまだ続きます。
 連載で少しづつご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。


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               次号の秘密
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 次号は
  1.『反響の秘密(2) あなたもしている? 思い込み』
  2.『メール相談室 さつきさんからのおたより(3)』
 をお届けします。


 来週も、世間でまことしやかにささやかれている常識が
 見事にひっくり返ります。
 どうぞ心のご準備を・・・

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